「No TV ? But TBS!」のCMがグロい

最近、TBSで放送されているCMがなんかすごい。
ベルリンの壁の崩壊やケネディの演説の映像を背景に、「No TV ? But TBS!」という派手な色のコピーとともに、なんだかやる気のないふざけた男の声が声高に叫ぶ。「No TV ? But TBS!」


このCM、最初見たときかなりの衝撃でした。
昨今の「テレビは終わった感」に、まさに止めの一撃を刺すかのようでした。


なんと自虐的で皮肉に満ちたCMなんだろう。
テレビが最も影響力を持っていた時代の象徴的な映像を流すことで、今の自分たちの落ちぶれようを、わざわざ視聴者の前で笑いものにしてみせるなんて!


このコピーの意味も、「ほんとのTVはTBSだけ」あたりが普通の訳になるんでしょうが、このCMの場合、もっと意訳して、「テレビなんか要らないって?いや、まだTBSがあるぜ!」くらいが妥当に思えてくる。
テレビ局の中でも最も下世話なTBSがこれを言うんだから、テレビもここまで切羽詰ってきたか、と感慨に浸らずにはいられない。


このCMのドぎつさは、もちろん狙ったものなんだろうけど、最後どうしてもニヒルになり切れなかったんでしょうね、なんとかおしゃれでポップなイメージのCMにしようとがんばってる感じが見え見えで、取り繕おうとして失敗してるその感じが、このCMのグロさに拍車をかけています。


しかし図らずも、別にTBSなんか終了してくれてもいいと思ってる僕ですら、ああ、テレビってこんなに偉大だったんだ、無くなったら大問題だ、なんとかしなきゃ、と一瞬でも思ってしまうくらいの、なりふりかまわぬ切実さを感じさせるという点では、かなりハイレベルなCMと言っても良いのかもしれないです。
それにしてもグロすぎるけども。さすがTBS。


次は湾岸戦争で、その次は911の映像を流すんだろうか。
逆にそこまでやれば応援したい気もするけど、どうせやるなら海外の映像使うんじゃなくて、亀田の試合など、正々堂々自分とこの番組を背景に使って欲しいなと思ったりもします。